精巣(睾丸)は精子の製造場所なので、精巣に問題があれば精子の状態にも問題が表れます。
精液検査・精子検査の結果が基準値以下だった場合は、その問題の原因を探るべく精巣検査が行われます。
今回の記事では、精巣検査の検査方法や費用、精巣検査で分かることなどの情報について紹介していきます。
精巣検査はどこで受けるの?
精液検査・精子検査は、病院の産婦人科や不妊専門のクリニックで受けることになります。
この検査の結果が思わしくない場合には、その原因を特定するために精巣検査が行われることになります。
基本的には、精巣検査は泌尿器科で行われることが多いです。
最近は不妊治療がどんどんと発達しているので、病院やクリニックによっては泌尿器科に回されることなく検査を受けることができる場合もあります。
精巣検査の検査方法や内容
ここからは精巣検査の際に行われる、代表的な検査方法である「視診・触診」「精管精嚢造影検査(せいかんせいのうぞうえいけんさ)」「精巣生検」「ホルモン検査」について簡単に解説します。
視診・触診
精巣検査でまず最初に行われるのが、視診と触診です。
ここでは、精巣の形や大きさの異常を見るほかにも、精巣の柔らかさなどがチェックされます。
また、「停留睾丸(ていりゅうこうがん)」や「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)」などの精巣の機能を低下させる病気の有無を確かめます。
精液検査・精子検査と視診・触診の結果によって、その後どのような検査をするのかを決定します。
精管精嚢造影検査
無精子症の場合には、精管精嚢造影検査が行われます。
無精子症は精液内に1匹もいないという症状ですが、ひとくちに無精子症と言っても原因は複数あります。
大きくわけて無精子症の原因は2つあります。
その2つの原因とは「精巣で精子がつくられていない場合」と「精子が作られているが精子の輸送経路が詰まっている場合」です。
精管精嚢造影検査をすることによって、夫がどちらの原因で無精子症になっているのかを判別することができます。
検査方法は、精子の通り道である「精管」に造影剤を流し込みレントゲン撮影をするというものです。
レントゲン写真で精巣に詰まりが見つからなければ「精巣に異常がある」ことが、精管に詰まりがみつかれば「精管に異常がある」ことが分かります。
検査は局部麻酔をして行う必要がありますが、日帰りで行うことができます。
精巣生検
無精子症や重度の乏精子症・精子無力症の場合には、精巣生検が行われます。
乏精子症は精液中に含まれる精子数が少ないという症状で、精子無力症は精子に元気がなく運動率が低いという症状です。
精巣生検の検査方法は、局部麻酔をしてから陰嚢を切開して、陰嚢内にある精巣の組織の一部を採取して検査するというものです。
採取された精巣の一部は顕微鏡で観察され、精子がいるかどうかや動いているかどうかを調べます。
この検査も日帰りで行うことができます。
また、精巣生検の際に精子を採取して冷凍保存し、体外受精や顕微授精に利用する場合もあります。
ホルモン検査
一般的に、ホルモン検査を受けるのは女性が多く、男性がホルモン検査を受けるケースは少ないです。
男性には生理が無いため、ホルモンバランスが女性より崩れにくいことが理由です。
しかし、精巣への命令はホルモンによって脳から伝達されているので、脳に異常があれば精巣への命令が出せなくなる場合があります。
脳の異常によって男性不妊になっているというケースもあるため、必要に応じて男性にもホルモン検査がされます。
ホルモン検査の方法は女性の場合と同じく、血液検査か尿検査です。
この検査によって、ホルモンの分泌に問題があれば脳に異常があり、ホルモンの分泌に異常がなければ精巣に異常があることがわかります。
精巣検査の費用
無精子症・乏精子症・精子無力症それぞれの場合で行われる検査が異なります。
また、その症状が軽度か重度かでも検査内容は変わりますし、視診・触診の結果によっても検査内容は変化します。
ということで、精巣検査の費用はケースによって大きく異なります。
視診・触診だけで終了すれば、治療費は1,000円程度で済みますが、精管精嚢造影検査・精巣生検・ホルモン検査をすべて受けるとなると、治療費は万単位になります。
つまり、精巣検査の費用は一概にはいくらとは言えないということです。
精巣検査後の治療について
精巣検査の結果によって、その後に治療方法は変化します。
例えば、精管が詰まるタイプの無精子症であることが判明したのであれば、精巣の詰まりを解消したり、精巣から直接精子を採取して人口受精をするというような感じです。
また、現代の不妊治療はどんどんと高度になってきていて、精子を1匹でも見つけることができれば「顕微授精」によって妊娠することが可能です。
日本では医療の進歩によって、不妊の原因があっても赤ちゃんを授かることができるという素晴らしい環境が整っています。
与えられた環境を活かすためにも、正しい知識を得て妊活をしていくことが何よりも大切なことだと思います。
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