精液検査・精子検査の費用や方法、結果や正常値

男性不妊症の検査として最も基本的な検査が「精液検査・精子検査」です。

不妊症は女性に原因があると思われがちですが、男性に不妊の原因がある場合もかなり多いです。

過去に発表された統計データでは、不妊に悩んでいる夫婦のうちの約半分が男性に不妊の原因があるとされています。

今回は、精液検査・精子検査の費用や方法、検査結果に対する正常値などの情報について紹介していきたいと思います。

精液検査・精子検査を受ける

精液検査を受けるためには、まず、病院やクリニックで不妊症の検査の予約をする必要があります。

不妊症の検査の予約をすると、精液検査をいつするのかというのを教えてもらえます。

精液検査は不妊症の検査のかなり早い段階で実施される場合が多く、早い場合には初回の通院で行われることもあります。

ということで、精液検査・精子検査を受けたい方は病院で不妊症検査の予約をしましょう。

精液検査・精子検査の方法

精液検査は、精液を採取して元気な精子がどれくらい精液に含まれているかを調べる検査です。

病院で専用の容器を渡されるので、病院の採精室(もしくはトイレ)でマスターベーションをして精子を採取します。

夫が忙しくて病院に行けない場合や、病院での精液の採取に抵抗がある場合は、自宅で精液を採取して病院に持っていくことも可能です。

精子の寿命は短いので、自宅で精液を採取して持っていく場合には、通院当日に精液を採取する必要があります。

また、精子は低温に弱いので、病院に持っていく時は人肌に温めながら持っていくように指示されます。

精液検査・精子検査の手順

精液検査は精子が元気なうちに行う必要があるので、採取された精液はすぐに検査に回されます。

検査は顕微鏡や自動分析装置を使って行われ、精子の数や運動量、奇形率などが調べられます。

運動率というのは、精子全体の中に元気な精子がどれだけいるのかということです。

また、奇形率というのは、精子全体の中に奇形の精子(受精する能力のない精子)がどれだけいるのかということです。

他にも精子の色などを目視して、精巣や精管に異常がないかどうかもチェックします。

精液検査・精子検査の結果

精液検査は検査する項目がそれほど多くなく単純な検査なので、だいたい1時間程度で完了します

検査結果の説明スケジュールは病院の方針によって異なりますが、当日に検査結果を説明してくれる病院も多いです。

検査当日に夫が病院に来ることができない場合には、夫が通院できる日に検査結果を改めて説明するという病院もあるようです。

精液検査・精子検査の費用

精液検査の費用は、病院やクリニックで行われる検査の項目によって変わります。

精子の数や運動率、奇形率などの基本的な検査項目だけであれば保険が適用されるので治療費は1000円程度です。

精液の状態は男性の体調に大きく左右されるため、検査が複数回行われるのが普通です。

だいたい2~3回検査を受けることになるので、基本的な検査だけでしたら、治療費は高くはなりません。

しかし、保険適応外の検査を行う場合には、治療費が一気に高くなってしまいます

不妊症の治療や検査を受けるときには、その治療や検査が保険が適用されるかどうかを先生にしっかりと確認するようにすることをオススメします。

また、保険適応外の検査や治療を行う際には、その検査や治療が必要な理由を説明してもらって納得して受けるようにしましょう。

精液検査・精子検査の正常値

精子検査の正常値は日本産婦人科学会に発表されているので、その発表された正常値を紹介します。

精液量:2~6ml
精子数:4000万/ml以上
運動率:50%以上
奇形率:15%以上

上に紹介したデータが、日本産婦人科学会が発表した精液検査の正常値です。

「正常値の数値を少しでも下回った場合、妊娠できないの?」と言われるとそういうわけではありません。

検査結果が正常値を多少下回ったとしても、自然妊娠をすることは可能です。

精液検査・精子検査の異常値

正常値を多少下回ったとしても、自然妊娠は可能ということを上で書きましたが、正常値を大きく下回る場合には、不妊になる可能性があります。

ここからは、異常と診断され、自然妊娠が難しくなるとされる基準値を紹介していきます。

精子数:2000万/ml以下
運動率:40%以下

上に紹介したデータが、WTOが発表した自然妊娠が難しくなるとされる基準値です。

精子数が2000万/ml以下の場合は「乏精子症」、運動率が40%以下の場合には「精子無力症」と診断されます。

また、精液中に全く精子が含まれていない場合には「無精子症」と診断されます。

精液検査・精子検査後について

複数回の精液検査の結果、精液に問題があると判断された場合には、更に精巣検査を行って更に詳しく精液の異常の原因を調べます。

精巣検査をすることによって精液の原因が判明し、適切な対処を行うことができれば、正常な精液を排出することが可能になることもあります。

精液の状態が正常になれば、自然妊娠で妊娠する可能性が飛躍的に上昇します。

また、正常な精液を排出する力を回復することができなくとも、人工授精や体外受精などで妊娠することが可能なケースも多いです。

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ということで、避妊なしでセックスをしているのになかなか妊娠することができないと感じているのであれば、まずは不妊症の検査を受けてみることをオススメします。

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