不妊症の検査には様々なものがありますが、その中に「卵管通水検査」というものがあります。
また、卵管通水検査と似たような検査として「卵管通気検査」というものもあります。
今回の記事では、卵管通気検査・卵管通気検査に関しての情報、特に痛みの有無・検査の時期・検査の費用・検査後の妊娠についての情報を紹介していきたいと思います。
目次
卵管通水検査・卵管通気検査ってどんな検査?
卵管通気・通水検査は卵管が詰まっているかどうかをチェックする検査です。
検査方法は非常に簡単で、カテーテルと呼ばれる細い管を膣から挿入して子宮口まで到達させます。
そして子宮口から子宮内に水や空気(通気検査の場合は空気、通水検査の場合は水)を送り込みます。
子宮内に注入された水や空気は卵管に向かっていき、卵管に詰まりなどの問題がなければ卵管を通過していきます。
この検査は基本的にはX線装置のない病院で卵管の通過性をチェックする場合に行われます。
X線装置がある場合には、通気・通水検査の変わりに子宮卵管造影検査が行われることが多いです。
卵管通水検査・卵管通気検査の診断方法
子宮内に空気・水を送り込んだ後にどうやって卵管の状態を診断するのでしょうか?
これについては卵管通水検査と卵管通気検査で方法が異なるので分けて紹介していきます。
卵管通水検査の場合
卵管通水検査の場合は注射器をつかって水を子宮内に送り込みます。
診断方法は、水を注入する際の感触や水を注入できる量などから卵管の詰まりを診断します。
卵管通気検査の場合
卵管通気検査の場合には空気や炭酸ガスを子宮内に送り込みます。
診断方法は、空気を送り込んだ後でお腹に聴診器を当てて卵管を通る空気の音をきいて卵管の詰まりを診断します。
また、子宮の圧力を測定することで卵管の詰まりを診断するという方法も行われます。
通気・通水検査と子宮卵管造影検査の違い
一般的にですが通水・通気検査と子宮卵管造影検査では、子宮卵管造影検査のほうが検査の精度が高いと言われます。
子宮卵管造影検査ではX線で卵管の詰まりがあるかないかを確認するので、画像という形でハッキリと卵管の詰まりを確認することができます。
子宮卵管造影検査では、撮影の際に子宮内に「ヨード」と呼ばれる造影剤を流し込みます。
「ヨード」は胃カメラでいうところのバリウムの様なもので、X線で撮影した際に体内の状態を見やすくするためのものです。
たまにではありますば、女性の中には「ヨード」に対してアレルギーを持っている人もいます。
その様な場合には、病院にX線装置があったとしても通気・通水検査による卵管の検査が採用されます。
もちろん、先生の腕が確かであれば通気・通水検査でもしっかりと卵管の詰まりを診断することが可能なので問題はありません。
子宮卵管造影検査については、別の記事で詳しく紹介しているので興味がある方はぜひ読んでいただければと思います。
卵管通気・通水検査の痛みについて
卵管通気検査・卵管通水検査には「痛みがある」と言われることがあります。
ネット上の質問サイトでも「通水検査って痛いんですか?」というような質問をしている方を見かけます。
では、実際にどれくらい痛いのかというと「個人差が大きい」としか言うことができません。
実際にこの検査を受けた人の感想は「全く痛くなかった」という人から「ものすごく痛かった」という人までおり、痛みには大きな個人差があることが分かります。
絶対ではありませんが、卵管が狭くなっていたり詰まっている場合には痛みが大きくなる場合が多いです。
痛みの有無や強さは検査にとって重要なことなので、痛みがある場合には我慢せずに先生に伝えるようにしましょう。
また、あまりにも痛い場合には、麻酔を使用する場合もあります。
卵管通気・通水検査の時期について
卵管通気・通水検査は妊娠の可能性がない排卵日前に行われます。
具体的には、生理があってから数日の間に行われます。
理由は簡単で、検査によって流産になってしまう事を避けるためです。
生理があった後の数日間であれば、妊娠は絶対にしていない状態になるのでこの期間を利用して検査を行います。
関連記事:一番妊娠しやすい日を基礎体温と排卵日から計算しよう!
卵管通気・通水検査の費用について
卵管通気・通水検査の費用についてですが、検査費用は検査を受ける病院によって異なります。
ただ、だいたいこれくらいの費用がかかるということで言えば、検査費用は4,000円~8,000円程度です。
基本的には保険が適用されるので、検査費用は高くはなりません(麻酔や痛み止めの有無で費用は前後します)
だいたいではありますが、卵管通気・通水検査であれば子宮卵管造影検査の半分の検査費用ですんでしまいます。
卵管通気・通水検査の後は妊娠しやすくなる?
実は、卵管通気・通水検査の後は女性の身体が妊娠しやすい状態になるということが知られています。
その理由は、卵管に空気や水を通すことにより、狭くなっていた卵管が広くなることがあるからです。
そのため、検査後は精子が卵管に入りやすくなったり、受精卵が卵管内を移動しやすい状態になるので、この作用が功を奏して妊娠に結びつく場合があります。
妊娠しやすい期間には個人差がありますが、数ヶ月はその状態が続くと言われています。
ただ、元から卵管が狭くなっていない方や他に不妊の原因がある場合には、検査後も特に妊娠しやすい状態にはなりません。
ということで、個人的には「検査後は妊娠しやすい」ということに関して、あまり過度な期待をせずにいた方がいいかなと思います。
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