クラミジア感染症と不妊症・症状や検査方法

ココ数年で、クラミジア感染症が原因となって不妊症になっている方が増えてきています。

早期に病気を発見して対処することができれば、重症化をすることはありませんが、慢性化すると子宮や卵巣にダメージを与えます。

最悪の場合には、卵管が完全に詰まってしまうなどして、自然妊娠はおろか人工授精すら不可能になってしまう場合もあります。

今回は、クラミジア感染症と不妊症・症状や検査方法の関係について紹介していきたいと思います。

クラミジア感染症とは?

クラミジア感染症は、性行為によって感染する性感染症の1つです。

クラミジア感染症は細菌によって引き起こされ、その細菌の名前が「クラミジア・トラコマティス」という名前なので、クラミジア感染症と言われます。

クラミジア感染症の原因菌である、クラミジア・トラコマティスを持っている方が増えてきているので、原因菌の増加に従って、クラミジア感染症の方も増えてきています。

クラミジア感染症は上行感染する

クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスを持った男性との性行為によって感染します。

まずは、膣にクラミジア・トラコマティスが住み着くことによって、感染が始まります。

上行感染とは、膣を起点にして、どんどんと身体の中に感染が広がっていくことで、最後は腹腔にまで感染部分が拡大します。

つまり、膣(子宮頚管)⇒子宮内膜⇒卵管⇒腹腔という順番で身体の奥へと感染が広がっていってしまいます。

クラミジア感染症が広がるとどうなるか?

クラミジア・トラコマティスは、徐々に身体の奥に向かって広がっていきますが、感染が広がった場所で炎症を引き起こします。

つまり、子宮頸管炎⇒子宮内膜炎⇒卵管炎⇒腹膜炎という順番で、上行感染した場所で炎症を引き起こします。

簡単に4つの器官で起こる炎症によって引き起こされる症状を紹介していきます。

子宮頸管炎

子宮頸管炎を引き起こすと、子宮頚管の組織が破壊されてしまい、子宮頸管粘液の分泌が悪くなります。

この症状を、子宮頸管粘液不全といいます。

子宮頸管粘液には、精子が子宮頚管を通過しやすくする働きがあり、子宮頚管が正常であれば排卵日付近に子宮頸管粘液が大量に分泌されます。

しかし、子宮頸管炎が慢性化して子宮頸管粘液の分泌が少なくなると、精子が子宮頚管を通過することができなくなるので、自然妊娠による妊娠が難しくなり不妊症になる確率が高くなります。

子宮内膜炎

子宮内膜炎になると、子宮内膜を形成する細胞が破壊され、本来の機能を失います。

子宮内膜は受精卵が着床するために需要に役割を持っていますが、子宮内膜炎になると受精卵の着床が難しくなります。

何かしらの原因があり、着床が阻害されるような症状を着床障害といいます。

受精卵の着床が難しくなると、人工授精・体外受精などの不妊治療を行ったとしても、妊娠することは難しくなってしまいます。

卵管炎

卵管は卵巣と子宮をつなぐ細い管で、卵子と精子の通り道になるという働きをしています。

卵管炎になると、炎症によって卵管の細胞が腫れあがり、卵管が狭くなってしまいます(卵管障害

卵管が狭くなると、精子や卵子の通り道が狭くなることになるので、受精に成功する確率が低下します。

また、重度の卵管炎になると、卵管が完全に詰まってしまい、体外受精以外の方法では妊娠ができなくなってしまいます。

腹膜炎

腹膜とは、肝臓や胃や腸のような腹部にある臓器を覆っている薄い半透明の膜です。

腹膜炎になると、子宮や卵管や卵巣などの妊娠・出産において重要な器官と腹膜との癒着を引き起こします。

腹膜炎は不妊症に直接的な影響を与えることは少ないです。

しかし、クラミジア感染症によって腹膜炎になっている場合には、すでに子宮頸管炎・子宮内膜炎・卵管炎を引き起こしていることになります。

つまり、腹膜炎が起こっている時点で、不妊症になっている可能性が非常に高いと言えます。

また、腹膜炎があまりにも悪化すると死亡するケースもあるので注意が必要です。

クラミジア感染症の自覚症状

クラミジア感染症は自覚症状があまりないので、感染に気がつかないまま慢性化・悪化するケースが多いです。

クラミジア感染症の拡大によって、感染に気がつかないあいだに不妊症になっていしまっていたという女性が増えています。

自覚症状はあまりないですが、全く自覚症状がないわけではありません。

女性の場合は、おりものの増加・透明~黄味がかった白色のおりものが出る・腹部に痛みがあるなどですね。

男性の場合は、尿道から透明な膿が出る・放尿をする際に痛みを伴うなどです。

女性の身体の異常はおりものの状態から分かることもあるので、妊活中の女性はおりものの状態を常に気にしておくことをオススメします。

関連記事:おりものの危険な変化を知り妊娠力を高めよう!

クラミジア感染症が悪化して腹膜炎にまでなると、頻脈・発熱・悪寒・嘔吐などの症状があります。

頻脈・発熱・悪寒・嘔吐が慢性的に続くような場合には、すぐに病院で検査を受けることをオススメします。

クラミジア感染症の検査方法

クラミジア感染症にかかっているかどうかは、血液検査や尿検査、子宮頚管塗抹検査などの方法をで調べます。

病院に行くのであれば、産婦人科に行くことでクラミジア感染症の有無を検査してもらうことができます。

また、ネット通販の性病検査キットを利用してクラミジア感染症の検査をすることも可能です。

自宅でできるクラミジア感染症検査キット 4,860円(STDチェッカー)

検査キットが届いたら膣分泌液を採取して送り返すことで、匿名で専門機関での検査をしてもらえるようです。

検査キットの費用も病院の診療費とそれほど変わらないようですし「もしかしたらクラミジア感染症かも?」という方で自宅で検査したい場合には、利用してもよいのではないかと思います。

また、検査キットの中には、クラミジア以外にも淋病・HIV(エイズ)・梅毒・B型肝炎なども同時にチェック可能なものも販売されているようです(検査項目が多いほど値段は高くなるようですが)

性病が気になる方は、思い切って一気に全部チェックしてみるのもアリかなと思います(その場合は検査キット代が2万円するみたいです)

自宅でできるクラミジアを含む12項目の感染症検査キット 21,600円(STDチェッカー)

自宅での検査はもちろん有効ですが、症状などから考えてクラミジア感染症や性病の可能性が非常に高い場合には、最初から病院でしっかり検査を受けることをオススメします。

クラミジア感染症の治療方法

検査の結果、クラミジア感染症に感染していることが判明した場合には、抗生物質を使って治療を行います。

抗生物質を2週間程度服用することで、クラミジア・トラコマティスは完全に死滅し、クラミジア感染症を完治させることが可能です。

クラミジア感染症の治療で重要なことは、夫婦揃って治療を受けることです。

クラミジア感染症は性交渉によって感染するので、夫婦のうちの一方が感染している場合には、もう一方も感染している可能性が非常に高くなります。

夫婦のうちの一方がせっかく治療を受けたとしても、もう一方がクラミジア感染症の治療を受けていないと、またクラミジア感染症になってしまいます。

クラミジア感染症治療後と不妊症

クラミジア・トラコマティスが完全に体内から消滅したとしても、一度引き起こされた子宮頚管の通過障害・着床障害・卵管障害は治りません。

原因菌が死滅したとしても、一度ダメージを受けた器官はすぐには回復しないということですね。

卵管が癒着してしまい、完全に詰まってしまったような場合には、自然妊娠・人工授精での妊娠が不可能になり、高額な治療が必要になる体外受精以外では妊娠ができなくなる可能性もあります。

関連記事:不妊症のチェック(女性編)不妊の原因になる12の症状!

逆に、慢性化・悪化する前にクラミジア感染症に気がつくことができれば、器官に与えられるダメージを抑え、不妊症になるリスクを低下することが可能になります。

ということで、将来出産を考えている方で「もしかしたらクラミジア感染症かも?」と感じた方は、なるべく早くに病院・検査キットでの検査をすることをオススメします。

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