人間の身体には「抗体」というものがあり、抗体はウイルスなどの異物を攻撃して身体を守ってくれます。
人間の健康にとって重要な抗体ですが、まれに精子に対して抗体をもってしまうという場合があります。
精子に対する抗体は「抗精子抗体」と呼ばれ、この抗体は精子を攻撃してしまうので不妊の原因になります。
今回の記事では、抗精子抗体とはどんなものかということや、検査法・対処法・予防法などの情報について紹介していきます。
そもそも「抗体」とは?
そもそも「抗体」とはどういったものなのかということについて説明したいと思います。
抗体は、身体の免疫反応によって作られる物質です。
身体の中では、異物を排除することで身体を守ろうとする働がされています。
その働きの中の1つに、1度身体の中に入ってきた異物をの特徴を覚えて、次回から速やかに排除するという働きがあります。
次回からは同じ異物を速やかに排除するために作られるのが「抗体」です。
そして次回に同じ異物が入ってきた時には、抗体が働いて異物の動きを封じ込めます。
抗精子抗体について
抗精子抗体は精子に対抗する特殊な抗体です。
抗精子抗体は主に女性の子宮頚管粘液に含まれていて、排卵の時期になると子宮頚管粘液が大量に分泌されます。
抗精子抗体をもっている子宮頚管粘液が分泌されると、膣内の精子の動きを悪くしたり子宮頚管で精子をブロックしてしまいます。
女性の身体は本来は精子を異物としてみなすことはなく、抗体は作られません。
しかし、女性の身体と精子の相性が良くない場合には、身体が精子を異物とみなしてしまい抗体が作られてしまうことがあります。
抗体にも強さがあり、抗体が弱い場合には特に治療をしなくても妊娠することは可能になります。
抗精子抗体の検査方法について
自分が抗精子抗体を持っているかどうかは血液検査を受けることで分かります。
また、フーナーテストという子宮頚管をどれだけの精子が通過できるのかを調べる検査を受けることで判明することもあります。
いずれにしろ、自分が抗精子抗体を持っているのかどうかは、病院で検査をしなければ知ることはできません。
抗精子抗体の対処法について
自分の身体が抗精子抗体を持ってしまったからといって妊娠・出産を諦める必要はありません。
抗体が弱い場合には、タイミングよくセックスをすることで妊娠することは十分に可能です。
抗体が強い場合や、抗体が弱くてもなかなか妊娠しない場合には、人工授精をすることで妊娠する確率を高くすることができます。
人工授精は精液を採取して子宮内腔に直接精液を注入する方法なので、子宮頚管粘液に抗精子抗体が含まれていても問題はありません。
もちろん、人工授精は万能ではないので抗精子抗体以外に問題があれば、妊娠することは難しくなります。
抗精子抗体の予防法について
抗精子抗体は、女性の身体(主に膣内)に相性の悪い精子が触れることで作られます。
こういった経緯で抗精子抗体が作られますが、抗精子抗体が作られる可能性は低く相性が悪いからといって必ず作られるわけではありません。
ということで、妊娠を目的としない排卵日付近以外でのセックスの際にはコンドームをするようにすると抗精子抗体が作られる可能性を低下させることができます。
また、抗精子抗体をすでに持っている場合に精子が膣内に頻繁に入ると、抗体のちからが更に強くなってしまいます。
実際のところ、抗精子抗体が作られてしまう可能性は低いですが、少しでも妊娠の確率を高めるのであれば排卵日以外のゼックスではコンドームをつけるようにするとよいでしょう!
【まとめ】抗精子抗体の検査法・対処法・予防法
最後に今回の記事の情報をまとめておきます。
・抗精子抗体があると精子の働きを阻害してしまう
・抗精子抗体は主に子宮頚管粘液に含まれている
・精子との相性が悪いと抗精子抗体が作られてしまう
・抗精子抗体の有無は血液検査をすることで知ることができる
・病院で検査しなければ抗精子抗体の有無はわからない
・抗体が弱ければ自然妊娠も十分に可能
・人工授精を受けることで妊娠を目指すことも可能
・排卵日付近以外のセックスではコンドームを使うと予防になる
以上「抗精子抗体の検査法・対処法・予防法について」の記事のまとめでした。
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