ホルモン検査の方法と不妊症

女性が不妊治療の際に受ける検査の中に「ホルモン検査」があります。

ホルモンの分泌量の複雑な変化によって、女性の身体の機能は働いています。

特に、ホルモン分泌量の変化は生理周期などの密接に関係していて、そのバランスが崩れることはが不妊症に直結することもあります。

今回の記事では、不妊治療で行われるホルモン検査と各ホルモンの働き、不妊症との関係について紹介していきます。

そもそもホルモンってなに?

ホルモンは身体の各臓器や組織の働きを伝達する物質です。

たとえば、脳からの指令を卵巣に伝えたり、卵巣からの指令を子宮に伝える働きをしているのがホルモンです。

毎月、排卵や生理が起こるのは、脳・卵巣・子宮がホルモンの伝達によって連携を行って妊娠の準備をしているからです。

ホルモンバランスが崩れるとどうなるか?

ホルモンの分泌が正常であれば、子宮や卵巣はその機能を十分に果たすことができます。

しかし、ホルモンの分泌に異常があれば、子宮や卵巣は機能は十分に発揮することができなくなります。

ホルモンの分泌に異常が発生してホルモンバランスが崩れると、排卵が起こらなくなったり、受精卵の着床率が低下したり、様々な弊害を引き起こします。

つまり、ホルモンバランスが崩れることは、不妊症に直結します。

不妊治療のホルモン検査

ホルモン検査の方法は、尿または血液を採取して、その中に含まれるホルモン量を測定することで行われます。

妊娠にとって重要なホルモンは複数あり、ホルモンの分泌量は生理周期によって増減します。

ということで、ホルモン検査は1度の検査で終わるものではなく、生理周期に合わせて複数回行われます。

ホルモン検査でチェックするホルモンの種類

・卵胞刺激ホルモン(FSH)
・卵胞ホルモン(エストロゲン)
・黄体化ホルモン(LH)
・黄体ホルモン(プロゲステロン)
・乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)

不妊治療のホルモン検査でチェックするホルモンの種類はだいたい上に挙げた5つです。

ここからは、この5つのホルモンの働きを簡単に紹介していきます。

卵胞刺激ホルモン(FSH)

卵胞刺激ホルモンは、脳下垂体から分泌されるホルモンです。

分泌された卵胞刺激ホルモンは卵巣に働きかけ、卵胞を成熟させるように命令します。

つまり、卵胞刺激ホルモンの働きは、卵巣を刺激して卵胞を成熟させることです。

卵胞刺激ホルモンの分泌が不十分になると、卵胞が成熟しなくなり、未熟な卵子しか排卵されなくなってしまいます。

卵胞ホルモン(エストロゲン)

卵胞ホルモンは、成熟した卵胞から分泌されるホルモンです。

分泌された卵胞ホルモンは子宮に働きかけ、子宮内膜を厚くするように命令します。

つまり、卵胞が成熟して排卵が近づいているので、受精卵が着床する環境を整える働きがあるということですね。

卵胞ホルモンの分泌が不十分になると、子宮内膜が厚くならず、受精卵の着床率が低下しています。

また、卵胞ホルモンは卵胞が成熟したことを脳に伝える働きもあり、この連絡を受けて脳は黄体化ホルモンを分泌します。

黄体化ホルモン(LH)

黄体化ホルモンは、脳下垂体から分泌されるホルモンです。

分泌された黄体化ホルモンは卵巣に働きかけ、排卵するように命令します。

黄体化ホルモンの分泌量がピークに達すると、その後15時間~40時間後に排卵が起きます。

タイミング指導や人工授精では、この黄体化ホルモンの分泌量を測定することで、排卵日を正確に特定します。

黄体化ホルモンの分泌が不十分になると、卵胞が成熟したとしても卵子を排卵することができなくなります。

黄体ホルモン(プロゲステロン)

黄体ホルモンは、黄体から分泌されるホルモンです。

排卵後、卵子が抜けた卵胞は黄体となり、黄体ホルモンを分泌します。

分泌された黄体ホルモンは子宮に働きかけ、受精卵が着床するために子宮内膜を厚くするように命令します。

つまり、排卵が終了したので受精卵を子宮に受け入れる準備をするように命令をしているということですね。

黄体ホルモンの分泌が不十分になると、着床の成功率が低下して着床障害を引き起こします。

乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)

乳汁分泌ホルモンは、脳下垂体から分泌されるホルモンです。

乳汁分泌ホルモンが分泌されると、乳腺を刺激して母乳の分泌を促進します。

通常であれば、乳汁分泌ホルモンは出産後に大量に分泌されます。

乳汁分泌ホルモンの働きは、母乳の分泌促進以外にも、生理の停止させるという働きもあります。

赤ちゃんが小さく母乳が必要な時期には、次の赤ちゃんができないように身体が生理を停止するのです。

しかし、ホルモン分泌の異常で妊娠も出産もしていない時に乳汁分泌ホルモンが大量に分泌されることがあります。

妊娠していないにもかかわらず乳汁分泌ホルモンが大量に分泌されると、生理が停止してしまうので妊娠することができなくなります。

未妊娠状態で乳汁分泌ホルモンが大量に分泌される症状を「高プロラクチン血症」といいます。

各ホルモンと検査時期

ホルモンの分泌量は生理周期に合わせて増減します。

なので、各ホルモンの検査もそのホルモンの分泌量の変化に合わせて行います

各ホルモンの検査時期について簡単に表にまとめてみました。

ホルモン名/検査時期 卵胞期 排卵期 黄体期
卵胞刺激ホルモン(FSH)
卵胞ホルモン(エストロゲン)
黄体化ホルモン(LH)
黄体ホルモン(プロゲステロン)
乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)

【まとめ】ホルモン検査と不妊症

生理不順などに心当たりがある方は、上に紹介したホルモンのバランスが乱れている可能性があります。

ホルモンバランスの乱れは、生活習慣を良いものにすることで改善することが可能なので、まずはできることから改善するといいですね。

これから妊活を始めようという方は、正しい知識を得て妊活に挑戦していくことをオススメします。

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